デザイン性の高い芸術的な作品は、美しく、人々の目を強く惹き付けます。しかし、多くは製造する時間と手間がかかる為、量産は出来ず一品物であったり、非常に高価な物であったりと、中々それを手にすることは出来ず、手にする事が出来ても日常使いはしづらいものです。
匠頭漆工の高い技術力は、「高いデザイン性」と「量産」の両立が可能です。作品のような見た目で、扱いやすい商品を作る事が出来ます。
量産といっても、工場ラインのような製造マシンを使用してつくるのではなく、「マシン&ハンドメイド」。最後は職人の手で、想いを込めて仕上げます。
ひとりでも多くの方に使って頂けるよう、木の良さを知って頂けるように、こだわっています。

 

木は元々水分を多く含んでおり、そのまま加工することは出来ません。そのまま加工してしまうと商品になった後で曲がったり歪んでしまい、漆器では漆が剥がれたりしてしまうので、乾燥工程が不可欠です。従来は、半年~数年掛けて乾燥させていました。
匠頭漆工では、蒸気乾燥を使用し、通常2週間弱で乾燥させることが出来ます。自然乾燥では「100年掛かる」と言われる細い導管の水分も抜くことも可能です。
長年培った経験と知識から乾燥温度と湿度をコントロールする事で、商品の形状・木の種類に合ったベストの乾燥で仕上げるので、細い物でも非常に曲がりづらくなっております。


 

 匠頭漆工はクリア加工にこだわります。
そこには2つの願いが込められております。
 
1つ目は「木製品の良さを皆様に知って頂きたい」という願いです。
木本来の色味と温かみ、一品一品異なる木目の美しさ、更にその色味と木目は木の種類によっても全く異なる表情を持ちます。自然と木の年月と日本人の木に寄り添ってきた歴史が感じ取れると思います。
 
2つ目は、「木地師の存在をもっと多くの人々に知って頂きたい」という願いです。
漆器の歴史と共に木地師の歴史はありました。しかし、木地師の存在を知っている人はごく少数だと思います。
 
これまで山中漆器の中で長くに渡り、下支えしてきた中で、木地と木地師の存在は漆の陰に隠れてしまい、木地師の数は年々減少し続けています。
匠頭漆工はこの現状を変えたいという願いから、漆器というジャンルから脱却し、木を全面に押し出した、全く新たなジャンルの伝統工芸を目指しております。


 ①乾燥工程

木を商品に応じた形で粗削りをします。(粗挽き木地)
粗挽き木地を乾燥させるところから、匠頭漆工の仕事は始まります。
 

乾燥へのこだわり

①2つの蒸気乾燥室
②約2週間で乾燥
③1度で1500個程度の乾燥が可能
④細かい温度調整、湿度管理は商品によって異なり、お椀の場合は80℃・ワイングラスの場合は100℃まで上げ、木をしっかり乾燥させる

②外挽き仕上げ
(旋盤轆轤挽き)

 

お椀・カップなど基本的には外から挽き上げます。一度に同じ商品を100~1000ヶ程続けて挽きます。鉄鋼旋盤を商品に合わせ調整し、商品を挽きます。仕上げは職人による小刀掛け、サンドペーパーで仕上げます。
 
こちらも鉄鋼旋盤を商品に合わせ調整し商品を挽きますが、商品の外を挟む為、商品に傷がつかないようにオリジナルの木填めを使います。仕上げは小刀掛けとサンドペーパーです。

③内挽き仕上げ
(旋盤轆轤挽き)

基本的には外挽き⇒内挽きの2工程ですが、商品によっては面取りという作業があったり、内挽き⇒外挽きでないと挽けないような場合もあります。そういった商品の場合は3~7工程必要な場合もあります。匠頭漆工にはこれまで手掛けてきた商品の形状は1000点以上あり、その都度、臨機応変に対応してきた実績と経験があります。